面接の採点要素のなかに占めるマナーのウェイトは大きい。たかがマナー、と軽視できない。能力、技術ともに優秀で、ほぼ採用が内定していた人物が、社長面接でわずかなマナーを失して「社風に合わん」とはずされた例がある。経営者にはマナーを重視するこの種の人間が少なくない。最低限のチェック要素は確認しておくべきだ。(1)ドアを二度ノックし、「どうぞ」と返答を受けてからドアを開け、一礼してドアを締める。(2)イスまできたら「OOでございます」と氏名を名乗る。(3)面接官に「どうぞおかけください」とうながされたら着席する。それまでは座らない。(4)イスに座ったら背スジをピンと伸ばして手はヒザの上にのせる。手をダラッと下げたり、後手に組んだりしてはいけない。(5)面接官の質疑が始まったら、質問者のほうへ顔を向け質問内容を最後まで聞く。相手が言い終えるのを待って答えることが大事で、質問をさえぎってしまうことのないように注意する。(6)質問に対しては、簡潔に要領よく、しかも敬語をもって応答する。たとえば、何を見て応募したのか問われたら「貴社(御社)の求人は朝日新聞の広告で拝見いたしました」と答える。この会社とか、見ましたとかは使わない。(7)面接官の誘導にのって怒ったり、興奮したりしない。どんな質問にも姿勢をくずさず、冷静に応答することが大切だ。面接手法として「圧迫面接法」というのがあり、わざと怒らせたり、精神的な圧迫を与えたりするケースがある。興奮度をテストする手法だから、この手にはのらないことだ。たとえば「あなた、転職回数が多いね、性格があきっぽいから、どこへ行っても辞めたくなるんだろうね」とか「言っちゃなんだけど、あなたの字ひどいね。まともな字は書けないかね」といった言い方がこの種の質問だ。もっとしんらつなケースもあるが、それでカッとすると「怒りっぽい、上司とのトラブルが絶えないタイプ」と見られ、不採用となる。冷静さを失わないように気をつけることだ。(8)質疑応答が済み、面接官が「ごくろうさまでした」といったら、立ち上がり「ありがとうございました」と一礼し、それからドアに向かう。(9)ドアを出る前に、もう一度ドアのそばに立って一礼することを忘れない。ことに採点のいい人の場合、最後のチェック項目としてこのマナーが注目され、面接官の目は集中する。きちんとお辞儀をして退室することが必要だ。細かいマナーはまだまだあるが、最低この九つのポイントは覚えておく。敬語の正しい使い方に気をつけ、常識を忘れないようにすれば、むずかしいことではない。
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